出戻り女の癇癪

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中学卒業後、京香と結衣は同じ高校に進学した。都内ではちょっと名の知れた公立の進学校だ。 家が比較的近かったこともあって、ゆるゆるとした付き合いが高校に入ってからも続いていた。 明暗を分けたのは、大学進学の時だ。 京香は東大に受かり、結衣は滑り止めの短大しか受からなかった。 道ばたでバッタリ会った時に、京香の母は、結衣の母に甲高い声で言われたらしい。 「東大なんて羨ましいわぁ、京香ちゃんは昔から勉強だけはおできになったものねぇ。まあ、でも、女の子ですからね、ガツガツ勉強して仕事一筋になってしまうよりも、早めにお嫁に行くぐらいが丁度いいのかしら、なんて思ってるんですよ。  うちの子は京香ちゃんとは違っておっとりしているから……」 母は憤懣やるかたない、と言った様子で帰ってくるなり京香にぶちまけた。 「悔し紛れかなんだか知らないけど、東大に入ってなんでバカにされなきゃなんないの!あれじゃ、ウチの子が結婚できないから一生働かなくちゃいけない、みたいな口ぶりじゃないの!」 そりゃあもちろん…… 結衣はミス・北高に三年連続選ばれたほどの恵まれた容姿だったし、片や、京香は常日頃、人は見かけじゃないからね、必死に努力して勉強すれば大丈夫だからね、と言われて育ってきたのは事実なのだが。
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