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桜と少女とプリン
夜道を歩いていると、道端に桜の花びらを発見した。
どこにあるんだろう?
花びらが落ちている方を目で追っていく。
すると、小さな公園の真ん中に、大きな桜の木があった。
公園の街灯が桜を照らしている。
ん?
あれ?
子供?
桜の近くに、小さな子が立っていた。
こんな夜遅くに、子供が?
気になって、そっと、近づいていく。
普段着・・・・・・というよりはハイキングに出かけるような服装。そして、足元には大きなリュックサックが置いてあった。本格的な登山・・・・・・あるいは旅をするような装備だった。
夜空を見あげている子を間近で観察する。きれいな黒髪は、首元くらいの高さで切り揃えられている。たぶん女の子。
何か困っているのかもしれない。よし、声をかけてみよう。
「大丈夫?」
「だいじょうぶ、星を見ているの」
ショートヘアの子が、わたしにちらりと視線をむけて、すぐに視線を星空に戻していった。
「こらこら、もう子供は寝る時間だよ」
「もうちょっと見てから寝る~」
むむむ。
なんか、くやしい。
何か良い手は・・・・・・。視線を彷徨わせていると、手から下げているコンビニ袋に目がとまった。
「プリンあげようか?」
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