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「おーくら!てんめぇ!!」
待ちに待ったお昼休み、まっつんが怒った声を出して、でも顔は笑いながらノートを持って私の席まで駆け寄ってくる。
「うわ!なんか怒られて職員室呼ばれてた人が来た!」
「お前のせーだろが!!」
私は駆け寄ってくるまっつんから逃げるように机から離れ、まっつんの方を向いて悪戯に笑った。
まっつんはそんな私を見て笑いながら、私の後を追いかけて走ってくる。
「待てこら!」
「いーやーやー!」
ダッシュで教室の外まで走って逃げたけれど、バスケ一筋なバスケ野郎には到底敵う筈もなく、私はまっつんにあっさり捕まってしまう。
制服の後ろの部分、背中を思い切り掴まれて、手に持っていた丸められたノートで頭をポコンと叩かれてしまった。
「いっった!」
「逃げるからだろー?」
まっつんに向き直って、叩かれた頭を両手で擦りながら、恨めしくまっつんを見上げる。
まっつんはしてやったりの意地悪な顔で、ニヤニヤしながら私を見下ろしていた。
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