第一話

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言ってしまったからには、やらないと仕方がない。 自分のアホさ加減にほとほと呆れて、はあぁーと心の中で大きな溜め息を吐いた。 「でもあんまり本気出したら岡本くん笑い過ぎてお腹壊すかもしらんからな! お腹に効くビオフェルミン用意してあげとかんと!」 場の空気を壊さないようにと、私はへらっと笑いながらみんなに話しかける。 「ぶっ!その場合正露丸じゃないと効かないんじゃね?」 「笑い過ぎてお腹壊すって、どんだけよっ!」 「なんせ私の笑いはノロウィルス並みやからな。 冬場の二枚貝より危ないで」 「もうそれ食中毒じゃん!」 でもいつもと変わらずふざけている内に、何だか徐々に楽しくなってきて。 みんなとお腹を抱えて笑い合った。 ーーー…例の転校生くんもこうやって一緒に笑えたら、ええねんけどなぁ。 ふと、そんな思いが頭を過る。 ーーーどんな子なんやろ…。 なんとなく気になった私は、おもむろに座っていた椅子から静かに立ち上がった。
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