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それに気が付いたまっつんが、ちらりと伺うようにこちらを見る。
「大倉?」
「…ちょっとお花摘みに行って来るわ」
まっつんに呼び止められ、にへらと笑いながら誤魔化すようにみんなに言う。
「普通にトイレって言いなよ志衣奈ぁ!」
「お前はいいトコのお嬢様か!」
グループのみんながツッコみながら、あははと笑う。
「あー、なる!頑張れ!いってら!」
「後で感想聞かせてね!」
笑っているみんなの中で、まっつんと夏帆だけは私にアイコンタクトをしながら言った。
2人には私の意図がバレているらしい。
まっつんは意地悪く笑ってるし、夏帆はお母さんみたいに優しく笑ってる。
さすがだ。
「トイレに頑張れって!まっつんセクハラだな!」
「ばーか!違えし!」
「てかトイレの感想とか夏帆もセクハラじゃん!」
「というか変態?」
「安田が変態って知らなかったわ!」
「わ、私は変態じゃないよ!」
慌てる夏帆をからかって、楽しそうにケラケラと笑ってるグループのみんなを見ながら、私は教室を出た。
…もちろんトイレなんかじゃなくて、転校生が居る隣の3組に行く為に。
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