第一話

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「あっ!しーちゃんだあ!どうしたの?誰かに用?」 隣のクラス…2年3組の前まで行くと、教室の入り口で話していた女子達に声をかけられた。 しーちゃん、は高校での私のあだ名である。 仲の良い女子からは、大体そう呼ばれていた。 「うーん…用って言うか、岡本くん?っておる?」 岡本くんの名前を出すと突然、女子達は目を輝かせて勢いよく食いついてきた。 「岡本くん?! いるけどどうしたの!?しーちゃん仲良しなの!?」 「岡本くんと仲良い人初めて見たんだけど! 何繋がり!?」 「もしかしてそういうカンケイ!?」 きゃーっと3人で勝手に盛り上がって、一斉に質問攻めにされる。 ーーー…ほんまにみんな恋バナ好きやな…。 きゃあきゃあ騒いでいる女子3人組に、少し引き気味で愛想笑いを向ける。 私も別に恋バナは嫌いじゃないけれど、何かと恋愛にしたがるみんなの気持ちも、女子で集まると必ず恋愛の話になる事が少しだけ不思議だ。
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