第一話

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「なんかねぇ、いっつも休み時間1人でスマホのゲームしてるみたいだよ」 「え?」 その言葉を聞いて少し考え込む。 確か、もう転校して3ヶ月程経ってる筈。 「…誰も話しかけに行ったりせーへんのん?」 すごく疑問に思った事を聞いてみた。 転校生って、しばらくの間はみんなに注目されて、アイドルみたいに扱われるものだと思ってたけど。 実際、高校2年の8月の新学期に突然転校生が来るとわかった時は、みんながみんなあんなに騒いでたし。 我先に転校生を見ようと3組に群がってたのに。 ーーーそれに結構かっこいいって、女子の間でめっちゃ話題にしてたやん。 「最初はうちらも他の子も、話しかけてたんだけどぉ… うん、とか、へー、とかしか言わなくて超そっけなくてさぁ!」 「うちらが女子だからとかじゃなくて、男子とも全然絡まないしねー。 だんだんみんなも話しかけに行くのに飽きてきて、誰も行かなくなっちゃったって感じ。」 「そうなんやぁー…」 その言葉を聞いて、私の心の中でズキリと、忘れかけていたあの鈍い痛みが走る。
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