342人が本棚に入れています
本棚に追加
「…賭けってなんの?」
まっつんの悪い顔を見た時に、直感的に嫌な予感がした。
だけど、わくわくした顔で私の反応を待っているまっつんに負けて、聞き返してしまう。
そうすれば嬉しそうに、まっつんは意気揚々と答えた。
「大倉がそいつを笑わせられるかどうか!!
で!見事笑わせたら、俺らがお前に何か奢るって事で!どう?」
ニカっと歯を見せて、どーだ!と言わんばかりのドヤ顔。
ーーー…わ、笑わせたらって…。
そう心で呟きながら、私はとりあえず苦笑いをする。
まっつんの性格上、ただ単にゲーム感覚のイベントがしたいだけだと思う。
転校生への悪意があって言ってる訳ではないのだろう。
ーーー…それはもちろんわかってるんやけど。
「それいい!やってよ志衣奈ぁ!」
「アイツの笑ってるとこ超見てぇー!」
「爆笑してるとことか想像出来ねぇな!」
ドヤ顔で言い放ったまっつんの提案に、案の定みんなも夏帆も物凄くノリノリだった。
このグループ、お祭り大好き人間の集まりだからなぁ。
まぁそのおかげで、体育祭も文化祭も物凄く楽しかったのだけれど。
最初のコメントを投稿しよう!