第一話

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「…賭けってなんの?」 まっつんの悪い顔を見た時に、直感的に嫌な予感がした。 だけど、わくわくした顔で私の反応を待っているまっつんに負けて、聞き返してしまう。 そうすれば嬉しそうに、まっつんは意気揚々と答えた。 「大倉がそいつを笑わせられるかどうか!! で!見事笑わせたら、俺らがお前に何か奢るって事で!どう?」 ニカっと歯を見せて、どーだ!と言わんばかりのドヤ顔。 ーーー…わ、笑わせたらって…。 そう心で呟きながら、私はとりあえず苦笑いをする。 まっつんの性格上、ただ単にゲーム感覚のイベントがしたいだけだと思う。 転校生への悪意があって言ってる訳ではないのだろう。 ーーー…それはもちろんわかってるんやけど。 「それいい!やってよ志衣奈ぁ!」 「アイツの笑ってるとこ超見てぇー!」 「爆笑してるとことか想像出来ねぇな!」 ドヤ顔で言い放ったまっつんの提案に、案の定みんなも夏帆も物凄くノリノリだった。 このグループ、お祭り大好き人間の集まりだからなぁ。 まぁそのおかげで、体育祭も文化祭も物凄く楽しかったのだけれど。
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