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森を下った少年たちは小さな町のパン屋さんに入る
「たっだいまー」
「おかえり」
店の番をしていたソバカスが印象的な小太りの女性が笑顔を見せる
少年がリュックをカウンターに置く
中には狩ったばかりの鳥とうさぎ
もちろん弓の腕前から考えて、一方の少年がとったものだろう
どちらも綺麗に瞳を1発で貫いていた
この方法ならば、食べるところを無駄にしなくていい上級者が使う手だ
リュックのひもを緩め、中をのぞいた女性はさらに口を大きく開き笑った
「まぁまぁ、二人ともありがとうね。早く着替えてきんしゃい、先生が見えられるんだろう。」
黒髪の少年はカウンターの横からのびる階段を上がる
町の小さなパン屋さんの2階にある小さな部屋、そこが彼の育った場所だった
小さな部屋の隅にある小さなベット、痩せた金髪の女性が窓の外を見ていた
「母さん、ただいま。今日は林檎をとってきたんだよ」
そう言って、ベットの側の小さなテーブルにポケットに忍ばせておいた林檎を本の上に置く
母親はこっちを見向きもしなかった
少年は少しだけ残念そうな顔をした後、扉横の洗面台で顔を洗い準備を始める
ハンガーに掛けられた小綺麗な茶色いジャケットを羽織った。袖が余ったが、父が残してくれたこのお古のジャケットが家の精一杯の正装だ
ふと母親の方に向けると、母親は外を見るのを止め林檎を見ていた
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