御手洗源基はスポンサーが多すぎて身動きが取れない。

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「まず、第一作はこの第二作目の大きな伏線になるような、それでいて今はやりのエログロ突入し、尚且つ世界観を広げるはずだった。そうだな」 「そうです。第一作目で、主人公はめっちゃ悪だとアピールして、戦う相手も超悪だとアピールします。なぜなら二作目は、今流行りの『理不尽な密室で起こる理不尽なエロと理不尽な殺し合い学園サバイバルゲーム』にするためっすね。一作目でめっちゃ悪だった相手が殺されたら、見てる人もまあ仕方ないかって思うじゃないっすか」 「だめだ」 「へ」 「スポンサーに大手鍵屋『うさぎはうちゅ』さんがいるので、密室殺人は駄目になった。代わりに主人公の首に、どんなドアも開けられる『マスターキー』をネックレス代わりに装飾することになった」 「え、それまじやばくない? つまり主人公が皆閉じ込めてるみたいになるじゃん。いきなり主人公悪じゃん」 「そして、第一番目に殺される、先生に痴漢しまくっていた鳥水山の件だが、死体の脇にケチャップを置くことになった」 「ケチャップ?」 「そう。原作になかった台詞を追加することになった。『これは、鳥水山の血じゃない! この瑞々しく酸味があるのに新鮮な味わい。これはトメィトフーズのケチャップだ』『じゃあ死因は失血じゃないな』で、死因はナイフを刺されたことではなくバナナの皮を踏んで頭を強打したことになった」 「え。めっちゃダサくないっすか。まず血がケチャップが確かめるために床のケチャップを舐めるんですか? ……最初の殺される相手なんだから、こう、血がドバーって迫力ある方が映画館でも映えるし。ってかそれって他殺扱いになるんすか? うっかり自殺?」
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