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よく見るとバイクはホンダCB1300P。夫もいつも乗っている白バイだった。
「ちわーす。トイレお借りします」
サッサと速足で交番に入って来る男は、白バイ隊員だった。
そのまま悠子は書類に視線を落とした。
「あ、はーい。どうぞ」
悠子は書類を書きながら言う。
白バイ隊員は途中でトイレに行きたくなったり、食事をする際は通りがかりの所轄署や交番内でトイレを借りたり、所轄署の食堂で食事をする事もある。
勿論、警察協力店を利用する事も多い。
悠子はふと、視線を見上げた。
(あれ?さっきの池村君じゃなかったっけ)
懐かしい見覚えがある顔だったと、思い出す。間もなくトイレから先程の隊員が出て来た。
「なぁんだ。かわいい婦人警官がここにいるって聞いたから来たのに、堀井だったのか」
その白バイ隊員は少し肩を落とす。悠子はその言いぐさにムッとした。
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