22章 闇の終焉(前編)

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・ 額に、瞼に、頬に…… グレイの唇が柔らかく押し付けられ、顔が離れていく。 あまりの心地好さに目を閉じていたルナを見つめるとグレイは瞳に笑みを浮かべていた。 「物足りないだろうが今はここまでだ…」 「……っ…」 笑いを含みながら言われルナはハッと目を開けて顔を真っ赤に染めていた。 思いきりその気になっていたことが恥ずかしい。 それを見抜いたグレイに笑われてルナはうつ向いた。そんなルナの頭をグレイの手がさらりと撫でていく。 ルナはそれに驚いて顔を上げ、グレイを見つめた。 「早くドレスを着ろ。サイズが変わったなら合わせてやる」 「えっ…」 「四年も経ってる──…身体が成長して当たり前だ」 ついさっき迄の甘い表情は消え、義務的にグレイはルナにドレスを着付けていく。 「キツいのは何処だ?」 「え、あ…こ、腰と背中…」 戸惑いながら口にしたルナにグレイの口端がふと上がっていた。 「腰と…背中……で、他は?」 「……っ…」 笑みを浮かべ、べつの箇所の成長を問い掛ける。 また胸のことをからかう気だ── そう感じたルナの顔が少しムッとしていた。
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