22章 闇の終焉(前編)

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・ 「あたしは一体どうしちゃったの…」 「ルナ様は……一度お亡くなりになられました」 尋ねてくるルナにモーリスは一呼吸置いて答えていた。 「亡くなった…」 「ええ。……砂になり、最期はお亡くなりになってしまわれた」 「……えっ…じゃあ今のあたしは魔物!?」 モーリスは目を伏せて首を横にふる。 「まだ魔物ではございません…人として亡くなったルナ様を、旦那様は人として生き返らせております」 「──……」 「たぶん、もう二度とはできぬ蘇生の術でございましょう──…」 「……っ…」 「旦那様ご自身もどうやって蘇生させたのか、存じ上げてはおりませんですから……」 モーリスは口にしながら何故かとても嬉しそうな笑みを浮かべていた。 「ルナ様…」 ルナは顔を上げてモーリスを見る。 「旦那様は、ただただ…悲しまれました……」 「──…」 「砂になったルナ様の抜け殻の服だけを抱き締めて、ただただ悲しまれた……」 「………」 「あの旦那様が初めて涙というものを心から流されのです──…」 「………」 「しかも大量に…」 ルナはそう呟いたモーリスの言葉に放心状態だった。 モーリスはそんなルナを見つめた。
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