伝書鳩

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 ん? と振り返ると、しわが増え少し痩せた神官のローナが、不安そうにこちらを見ていた。 「ああ、ご無沙汰しておりますローナさん」  笑顔で身体ごとそちらへ向き、ローナのそばまで近づく。  ローナはほっと安堵した様子で、何年も会っていなかったから、人違いかと、と微笑した。 「それにしても、こうして改めて見ると、変わらないわね。お元気そうでよかったわ」 「大人になってませんか?」  自分の顔を撫で、ローナと会ったのは十代だったんだがと苦笑する。 「ええ、すっかり落ち着いた雰囲気になっていますね。ですので、少し悩んでしまったの」 「ああ、髪色が少し暗くなっていますしね」  加齢による白髪が、元の銀色を消してしまったローナは、それでも姿勢はいいままだった。  少し小さくなっている気もするが、痩せてしまったからそう見えるだけかもしれない。 「今日はお祈りですか?」 「ええ、闇の精霊へお礼をしに参りました」  柔らかい笑みを口元に乗せ、ローナはしかし悩んでいる素振りを見せた。 「何か、ご心配事が?」 「あら、まあごめんなさい。少し孫のことが気にかかっていまして。本教会にいますの、よくここにも来てくれる、とてもいい子なの。ただ、最近少し元気がなくて。クリスさんは上級魔術士でしたわよね?」     
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