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屋上へ行き、広がった場所を見たリオが、ホタル君の位置を変え始めた。
俺はさっさと服を脱ぎ捨て、風呂に入って身体を伸ばす。
「ホタル君もう少し作ってくれよ」
「ん? 足りないか、了解」
一緒にお湯の中でたゆたい、時々イチャついて会話を続ける。
「トールさんがちょっと、気が抜けてる感じなんだよな。ぼんやりしてるっていうの? クリスと似てる」
「まあ、俺はよくぼんやりしてるけどさ。土もらいに行きたいし、近いうちに顔出すわ」
「そうして。あ、女の魔法使いに会ったぞ。なんか素っ気なかったけど、トールさん大好きって感じだったな」
ああ、ヒステリー勘違い女王様か。
ある日魔法使いとなった彼女は孤独となり、愛がほしいと放浪する。そんな彼女に手を差し伸べた、髭の王子様。彼女は王子様に盲目的な愛を捧げるのだった。
みたいな感じだろうか。適当なイメージだが。
「もういない?」
「いや、今日はいた。苦手なのか?」
俺の背中に悪戯していたリオが、背後から抱きしめ肩へキスするので、ドキドキする。
肩は噛まれるイメージなんで、すげー怖いんですけど。
「あれ、心拍上がった。なんか隠してるのか?」
「違う、肩に噛みつかれたのを思い出す」
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