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ふうん、と気のない返事をしているけど、噛んだのはお前だからなリオ。
「俺がトールさんに対して、馴れ馴れしいのが嫌なんじゃねーかな。ちょっとヒステリックで、苦手だな」
「ああ、なるほど。どっちかっていうと、あの人よりクリスといる方が、トールさんも雰囲気柔らかいもんな。嫉妬する気持ちはわかる」
勇者仲間ですからね。
「何お前、トールさんにも嫉妬すんのか?」
「まあ。なんか入り込めないとこあるから」
肩から首へと唇を滑らせ、きつく吸い上げられて身体が揺れる。
「そういうの、嫉妬するだけ無駄ってこと、わかってんだけどさ。アルさんにもだけど。でもやっぱ、悔しいかな。クリスは俺の、って言いたいけど、そうじゃないのもわかってるし。欲張っちゃ駄目だって思ってんだけど」
俺の、って言いたくなる。リオはそう呟くように囁いて、身体を離した。
「のぼせそう。先に下行ってる」
残されたお湯の中で、そうなのかーと夜空を見上げる。
俺の場合、リオが魔法使いの女と仲良く話してても、気にならないんだけど。イゾッタやベラとも、仲良くしているのを見るとニヤニヤしちゃうし。
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