気分は上々

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気分は上々

0    朝の日課を一通り終えて、食後のコーヒーを味わいリオを眺める。  普段は軽装しか着ないリオだが、今日は紺色のアオザイです。腹チラです。ズボンは黒です。ちなみに俺も黒アオザイです。ズボンは白です。 「リオ、めっちゃかっこいい」 「……」  体格的に一番骨が太いのはノエルなんだが、あいつは何故か雰囲気が遊郭なんだよ。ジルはもうあれですよ、妖精です。美しすぎるので。  そしてリオ。俺と同じくらいの体形なんだが、筋肉のつきはリオの方がいい。そして背が高い。つまりマフィアっぽくてかっこいいです。  今度登り龍の刺繍で作ってもらおうかな、生地は黒で。濃い灰色で刺繍すれば、リオの髪と目の色とお揃いで、よいのではなかろうか。 「もう一着作ろ」 「いらねー」  着慣れない服なので、どうにも居心地悪そうにしているリオを眺める。 「リオ、めっちゃかっこ」 「もういいから、さっきからそれ何回目だ」 「いやー、眼福。やっぱ背が高いといいよな。俺もリオまでとは言わんが、リオくらいでかくなりたかったわ」 「言ってんじゃん。ほら、もう店開いてんじゃねーの? 行こうぜ」  立ち上がって急かしてくるリオに、生返事をして外へ出る。     
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