気分は上々

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「先にジルんとこな」 「わかった」 「リオを見せびらかさねーと」 「用事ねーなら行かねー」  用事ならある、と顔を引き締める。 「神官の話。ちゃんと話さねーとだから」 「ああ、そういや昨日聞いたっけ」  仲良く冒険者通りを歩いていると、いつもより視線が来る。  冒険者が多い通りなので、リオの魔力量が目立つため注目されるが、さっと視線を逸らされて終わる。それが、今日は二度見されている。  どうよ、うちの子かっこいいだろうと鼻高々な俺と、早足のリオとの対比がひどい。引きずられているわけじゃない。引っ張られているだけです。  魔術士ギルドへ逃げ込むように入ったリオが、サヤへ挨拶するのを眺める。  嫉妬。嫉妬。……それよりうちの子かっこよくね?  にまーと顔が緩むので、先にジルのところへ行くと声をかけて、執務室へ向かった。 「おはようございますジル」 「おはようクリス。機嫌がよさそうだね」 「うちのリオがかっこいいんですよ」  あとで来ますから見てください。と言ってから、ソファーで向かい合って座り昨日の話をする。     
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