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ジルに会わない日は最長二日で、リオとサヤの間で話がついているのだろう。
ノエルは若干のストレスをジルへ与えるようで、週に二回しか来れないようになっている。そして俺は、最近ノエルを見かけていない。
あのリオが、そんな根回しをするようになるとは思わなかった。しかし素直すぎても心配なので、これはこれでよかった気もする。
辺境伯のご子息様は、突撃しに来ることもなく、すでに王都から出て行っている。
とても平和で、俺は満ち足りている。
こんな毎日が続いていけば、いつの間にか俺もこの世界に馴染んでいるかもしれない。
強者とか弱者とか、戦うとか戦わないとか、そういう場所から離れれば離れるだけ、俺は生きていけるのではないだろうか。
トールのように人から完全に離れることはできないが、この生活に慣れればそのうち、人が来ない場所に住めるかもしれない。
人種なのに老化しないことを疑問に思われるまで、あと五年くらいだろうか。多少魔力が多いのだから、十年くらいは誤魔化せるだろうか。
いずれは王都からも出ないといけなくなる。
通信魔道具もある。自動ドアもある。会いたい人には会えるのだ。だから気楽に今を満喫する。
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