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酒屋の主人とまた値上がりかとぼやき、服屋の店主とゴシックドレスを語り、たまに煙草屋の主人の話を聞いて、ジルと会い、リオと生活し、今を楽しむ。
俺だけじゃない。ある日誰かがいなくなる。それは誰もに等しく訪れる出来事だ。
ただ、俺はその回数が少し多くなるだけ。きっと、ほんの少しだけ。
夕方までジルと話したり、地下へこもったり、庭で酒を楽しんだりして過ごす。
廊下に黒い自動ドアが現れ、リオが帰宅して夕飯を作り始める。
俺も作るぞと言ったのだが、月に一回しか許可が出なかった。ハンバーグなら週に一度でもいいと思うのだが、どうもリオ的には駄目らしい。
夕飯を二人で食べながら、遺跡の話しを聞く。どんな魔物がいたとか、どんな遺物があったとか。
話しを聞いていて、ウーゴも魔法使いだっけと何度か思った。どうにも俺の中でのウーゴは、調子のいい中級冒険者なんだよな。
実際はダブル上級だが、あの話し方がそうは見させないんだと思う。偉そうに話してくれてもいいんだが、最初の印象が悪かったせいで恐れられている。
そのうち一緒に忍者装束を着て、森の中を駆け巡る予定だ。たぶん言えば喜んで付き合ってくれるはず。内心はどうあれ。
食後はサロンで酒と煙草を楽しみながら話しの続きを聞き、ひと段落ついたら風呂へ入る。
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