夜の猫、闇の底を走る・第７話

第14章 これだって恋の話

際限なく欲しがるし。されてもされても物足りないのかな…」
「俺、頑張って二回めいってあげよう。夜ちゃんをみんなで気持ちよくしてあげようぜ」
そんなことで団結しても…。
折しも俺の前の人が「うっ」と短く呻いて、彼女の上で果てた。彼女が身体を震わせて懇願する。
「いやぁ、早くぅ。…もっと、いっぱい、してぇ…。みんなで」
「おい、次行け。あとつかえてる」
促されて腹を括り、前のジッパーを下ろした。彼女の上に覆い被さり、すみません、とぼそぼそ呟いてそっと身体を近づけた。その瞬間か細い両腕が俺を引き寄せて、柔らかい唇が自分の口に押しつけられた。
何だか無茶苦茶どきどきした。…この子とキス、しちゃった。
「あ、いいなぁあいつ」
「俺もあとで夜ちゃんにしてもらお…」
絶対駄目。夢中で彼女の唇を貪り、両手で胸を弄りながら思う。この子は俺のもの。少なくとも、今は。
吸いつくような滑らかな肌の感触を愉しみながら自分でも予想しなかったくらいときめいた。ずっとこうしてたい、彼女と。
彼女がきゅ、と俺を抱きしめて甘い声で耳許で囁く。
「ね。…お願い、して。…早く」
…はい。
場所を確かめるためにそこを探ると彼女が身体を震わせて身悶えし、喘いだ。その反応も可愛くてたまらない。女の子のここってこんなに蕩けちゃうんだ、って思うくらいになったそこを味わい、抑えられず声をあげる。
「あ、ぁ…、いい、です。…すごい…」
ヨル、さん。そう呼ばれてた、よな。
名前を呼ぼうかどうしようかためらいつつ身体の動きを一向に止められなくて、激しく攻め続ける。俺にしがみついて身体を弾ませていた彼女が不意にぐ、と背中に回した手に力を込めてぶるぶる、と激しく震え始めた。
「あ…、も、あたし。…むり。…んっ、あ、い、く…ぅ…」
俺は慌てて力任せに彼女の身体を抱きすくめた。彼女に求められるままに唇を重ね、二人でしばし激しく全身を震わせる。一瞬頭が真っ白になって、あ、と思った瞬間それは終わった。
ぐったりと横たわり、びくびく細かく震える柔らかい身体を抱きしめてまた口づけする。もう自分の腕にも全然力が入らないけど。
…すっごく、よかった…。
「はい、どいてどいて。終わったんならそこからさっさと降りてね。復活したらまた最後尾に並んでよ」
容赦なく引き離され、未練がましく振り向きつつ遠ざかる。