第14章 これだって恋の話

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あの子、大丈夫?あんな小さい身体で、死んじゃうんじゃない?」 奴は嫌なこと言うなぁ、と顔を顰めて俺を見た。 「司会の奴とかが彼女の様子を観察して状態を見つつだから。その代わり本人からもう無理、って泣きが入ったら絶対にそこで止めなきゃならない。ここは強制とか無理強い、女の子が気持ちよくないことは全面的に禁止だから。…う、七番目か。お前は?」 「…五番目」 いつの間にかふらふらと一緒になってくじの紙を引いていた。何やってるんだ俺。 第一、こんなところで、公衆の面前でよく知らない女の子相手に…。 「よし、もう始まるな。ベッドルームに行こうぜ。やってるとこはみんなで見られるから。…何だよ、気後れしてんの?泰河、初めてじゃないだろ?」 ぐ、と言葉に詰まる。確かに以前、こいつにはそう言ったけど。 高校二年の時に付き合ってた子とキス、それから途中くらいまでは行ったことがある。でもこいつに彼女いたんなら最後までした?って訊かれてつい、見栄を張ってそりゃ、まあねなんて答えてしまった。そのことを猛烈に今後悔する。 経験があるからこういうのも大丈夫だろうと思われたのか。でも。…実際は俺、まだ童貞なのに。 こんな場でどう振る舞えばいいんだ。 でもそれは結果的に杞憂だった。俺の前に他の男たちが彼女を順番に抱く様子もつぶさに観察することが出来たし、その場の連中は皆他の男には全然関心がない様子だった。みんなでひたすら彼女の表情、身体の反応、喘ぎ声や甘い囁きを食い入るように味わい尽くしている。男に上に乗られて身悶えする彼女の身体を我慢できず傍から手を伸ばして弄る奴までいる始末。 「あっ、やぁん、だめぇ、そんな…、とこ。…ああ、っ」 「可愛い、エッチな声だなぁ」 「すごいな、ここの反応。ぐしょぐしょ過ぎて溶けちゃうんじゃない…」 そんな様子を見ているうちに俺の呼吸もどうしようもなく弾んできた。そんな自分を情けなく思うが本能には勝てそうもない。 上の男が呻いた。 「あ…っ、夜、ちゃん。いい、…よ。…うっ、出る」 「やぁっ、まだぁ、まだ、…もっとぉ…」 いやいやと首を振ってしがみつき、ねだる。どうやら全然意に反した状態じゃないらしい。 その場の男たちが全員、目尻を下げるのがわかった。 「かっわいいなぁこの子。…止めちゃいや、だって」 「あんなこと言われてみたい…、すごい、甘えてるな。
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