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「あ、ありがとう」
俺はそう花咲月くんにお礼を言って照れていた。
お世辞でも花咲月くんにそう言われるのは嬉しい。
「さ。どこに行こうか? 俺、何にもプランとか考えてないんだけど・・・春海は希望とかある? ・・・春海?」
「・・・へ? ・・・わぁぁぁー!! ごめんなさいッ!! すみませんでした!!」
俺は慌てて花咲月くんの首筋から離れて右手の手の甲で口元を隠していた。
俺・・・何してんだよっ!!
俺は花咲月くんの首筋に大接近していた。
まるで花咲月くんの首筋にキスでもするかのように・・・。
「・・・香水・・・気になった?」
淡く微笑み、そう訊ねてきてくれた花咲月くんに俺はただ、頷き返すことしかできなかった。
気になった。
だって・・・この香水の香り・・・。
「俺の友達も同じの・・・付けてて・・・」
俺はそう言ってアイツの顔を思い出していた。
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