花咲月くんとデート②

3/9
前へ
/193ページ
次へ
「あ、ありがとう」 俺はそう花咲月(やよい)くんにお礼を言って照れていた。 お世辞でも花咲月(やよい)くんにそう言われるのは嬉しい。 「さ。どこに行こうか? 俺、何にもプランとか考えてないんだけど・・・春海(はるみ)は希望とかある? ・・・春海(はるみ)?」 「・・・へ? ・・・わぁぁぁー!! ごめんなさいッ!! すみませんでした!!」 俺は慌てて花咲月(やよい)くんの首筋から離れて右手の手の甲で口元を隠していた。 俺・・・何してんだよっ!! 俺は花咲月(やよい)くんの首筋に大接近していた。 まるで花咲月(やよい)くんの首筋にキスでもするかのように・・・。 「・・・香水・・・気になった?」 淡く微笑み、そう訊ねてきてくれた花咲月(やよい)くんに俺はただ、頷き返すことしかできなかった。 気になった。 だって・・・この香水の香り・・・。 「俺の友達も同じの・・・付けてて・・・」 俺はそう言ってアイツの顔を思い出していた。
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!

438人が本棚に入れています
本棚に追加