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「春海・・・ビックリしてる? ごめんね? けれど、いいよ・・・。その顔と反応・・・。好きだ」
花咲月くんはそう言うと俺の口を塞いでいた自分の手をどけてクスリと笑った。
俺は花咲月くんにからかわれた・・・。
花咲月くんは俺の後頭部を掴み、俺の口をもう片方の手で塞いで自分の手の甲にキスをした。
俺は花咲月くんに唇を奪われたわけじゃない・・・。
「言っとくけど・・・俺はこれからも春海をいじめるよ? 理由は自分で考えて。教えるのは面倒だから」
そう言った花咲月くんの目は鋭くって妖しくて色っぽかった。
それに黒縁の眼鏡がそっと花を添えているから余計に質が悪い。
「・・・さ。行こうか? 知らない人にじっと見られるのは苦手なんだ」
花咲月くんはそう言うとニコリと笑って俺の手を握り、いきなり駆け出した。
「わっ!? ちょっ!? 花咲月くん!?」
俺は縺れそうになる足を必死で動かした。
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