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「俺、大人しそうとか真面目そうとか思われがちだけど・・・そうでもないよ。無茶するの好きだし、馬鹿やるのも嫌いじゃない」
花咲月くんは俺の手を引きながら走っているのにかなり速かった。
この人・・・何部の出なんだ?
陸上部?
なら、短距離?
それとも長距離?
どちらでもいいけれど・・・クッソえらい!!
息が続かねぇ!!
「ちょっ・・・や、花咲月くんッ!!」
俺はゼーゼー言いながら花咲月くんを呼び止めた。
「何? もうバテたの? だらしなっ!」
花咲月くんはそう言って俺をチラリと振り返って笑っていた。
ああ・・・もう・・・。
俺は花咲月くんの手を振り解き、ちょっと無茶をしてみた。
「あ・・・何? 春海、負けず嫌い? ふ~ん・・・」
花咲月くんは余裕な感じでそう言ってクスクスと笑った。
「負けず・・・っ・・・嫌い・・・だよっ! そう言う・・・花咲月くんもっ・・・でしょ!?」
俺は花咲月くんの横に並んで走っていたけれど本当は話す余裕なんてなかった。
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