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「・・・うるせぇ」
その細マッチョ系爽やかイケメンさんはドスの効いた低い声でそう言うと俺をじっと凝視した。
俺は当然、それにたじろいだ。
「す、すみません」
小声でそう謝った俺を笑ったのはイケメン店長の笠井さんだった。
「剛志そう睨んでやるなよ。怖がってるだろ~? あ。あとそいつ、明日からここで働くから。指導のほどよろしく~」
イケメン店長の笠井さんはそう言うとケラケラと笑い、壁に掛けられたハイセンスな掛け時計へと目を向けた。
俺は未だ俺を睨んできている剛志さんに愛想よく微笑み掛けてみた。
だが、その俺の渾身の微笑みは剛志さんの盛大な舌打ちで悲しくも散り去った・・・。
「・・・仲良くな?」
そう助け船を出してくれたのはイケメン店長の笠井さんだった。
しかし、イケメン店長の笠井さんの言葉にも剛志さんは何の返答も返さずに店を出て行ってしまった。
なんだか気まずいな・・・。
そう思うと同時に今度は頭をわしゃわしゃと撫でられた。
俺は慌てて頭を撫でてきているイケメン店長の笠井さんへと目を向けた。
イケメン店長の笠井さんは俺と目が合うとニカッと笑い『大丈夫!』と声を発してくれた。
それに俺は笑んで『はい!』と答えた。
うん。
大丈夫!
うまくやれるさ。
・・・きっと・・・。
そう。
きっと・・・。
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