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その小説の作家さんは年齢不詳、性別不詳で書く小説のジャンルも本当に様々で謎の多い作家さんとしても知られている人だった。
一部のファンの間では団体で書いているんじゃないかって話もあがっている。
実は俺もそう思っているうちの一人だ。
ただ、俺は団体と言っても二人ぐらいだと推測しているのだが・・・。
「天才ってこう言う人のことを言うんだろうなぁ~。サインとか欲しいし、握手とかしたいなぁ~。マジで好きだ~・・・」
俺はそこが書店と言うことも忘れて危ない人のようにぶつぶつと呟きつつ、その憧れの作家さんが書いた新刊小説をパラパラと捲り見た。
これは・・・明日が仕事でなければ一晩で読み干す勢いだ。
「今回は恋愛か~。やっぱり女性の作家さんなのかな~・・・」
俺はそう呟いて手にしたその新刊小説を丁寧に閉じて回れ右をし、それと同時に誰かとぶつかった。
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