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「す、すみません!」
俺はぶつかった相手に慌てて頭を下げてそう謝った。
頭を下げた俺の足元には買おうとしていた新刊小説が悲しく転がり落ちていた。
(ああ・・・汚れちまったかな・・・)
そう思っていると床に落ちたその新刊小説を拾い上げる手が見えた。
「こちらこそすみません。よそ見をしていました」
そう言ったのは綺麗な落ち着きのある男性の声だった。
(こう言う声を俗にイケボって言うんだろうなぁ・・・)
俺はそんなことを心の内で呟きつつ、下げていた頭をゆっくりと上げていた。
お、おお・・・。
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