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頭を上げると同時に俺の目に入って来たその人は黒髪黒縁眼鏡の長身細身のイケメンで優しい微笑みをふわりと浮かべていた。
長身で・・・細身で・・・イケボで・・・イケメンで・・・。
全く、神様は不平等だ・・・。
と、言いつつも俺も身長だけはけっこう高めで高校最後の身体測定の時には念願の180センチ台となっていた。
それから1センチくらいは伸びているのでは? と自分では思っている。
それでもその人の方が俺よりも少し背が高く、本当に神様は不平等だと思わされた。
「い、いえ。大丈夫です。俺が悪いので・・・」
俺はそう言ってその長身細身イケボイケメンさんが手にしている新刊小説へと目を向けた。
「・・・この小説・・・買われるんですか?」
長身細身イケボイケメンさんのその唐突な問いに俺は瞬いた。
「え? あ、はい・・・」
そんな間の抜けた返事を俺はして長身細身イケボイケメンさんの顔を不躾にまじまじと見つめ見た。
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