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父の名前は、道木英彦。
戦後に、神戸の軍事工場で働いていた祖父と大分で看護婦をしてたいた祖母が、見合いで出会い、戦後を生き抜くべく度土地だった空き地に、色んな境遇で寄り集まって土地を整備し、泥地を埋めて店を開いた。
なぜ、佐世保の衛生兵から出兵が嫌で神戸の軍事工場に志願して終戦を迎えた祖父がお見合いで出会った祖母と理髪店を初めたのかは定かではないが、私の父がその場で二人の息子として生まれるに至るまでの経緯だ。
昭和27年、私の父はそこで生を受けた。
先に話した母の幼少のペットの思い出に同じく父にも一風変わったペットの思いでがある。
父は、小学生の頃、田舎で生まれた子兎を飼っていた。
とても可愛がっていて、夜は布団で一緒に寝たこともあったと言うのだが、兎が大人になるまで育ててすぐ学校から帰ったら、兎が料理になっていたと言う。
一緒に布団で寝るくらい好きだった兎が食卓に並んでいたら、ショックだっただろう。
結局、食卓はお葬式状態で、料理しようと企てた両親も含めてだれも兎に箸をつけられなかったと言うオチ付きだ。
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