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「ぎゃおおおおん!」
突然、悲鳴のような雄叫びのような轟音が聞こえた。
「ニャにぃっ!?」
情けない悲鳴を上げるのは淳だ。
あまりの轟音に、正気を取り戻す。
辺りを見回しても何も無い。
まさかと思い空を見上げると、ドラゴンの一匹が山の麓に落ちようとしていた。
もう一匹は依然として空に佇んでいる。
「あ、これやばいやつだ」
淳は近くの木にしがみつく。
それと同時にドラゴンは墜落、山に激震が走った。
「あっ、あっ、やばっ、あっ」
あまりの揺れに、しがみつくことすらままならない。
一瞬の揺れが、淳には随分長く感じられた。
やがて揺れは収まり、木から腕を離す。
麓のドラゴンを見ると、遠目だがピクリとも動かない。
空に佇むドラゴンは翼を羽ばたかせ、何処へと消えていった。
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