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体が触れて30分ほどか。。
胸全体が心臓になったんじゃないかってくらいドキドキしてるのがわかる。
このままじゃ口から心臓が飛び出してきそうだ。
そうだ、他の席に移ろう。
席は幾らでも空いてる。
どこかの駅でその席の人が乗ってきたら「間違えました」って謝って他の席に移ればいい。
そう思い、ワタワタと荷物を整理してそっと立ち上がると、グッと足で通路を塞がれた。
「……ーーーっ」
……ぇ。
前を通ろうと足に向けてた視線を、上げる。
数分振りに合った目は、
ーーーー絶対に出させない。
と怒りに満ちていて。
真咲は動けず立ち竦んだ俺のジャケットを下に引っ張り、再び席に座らせた。
「………………」
「………………」
そしてまたやってきた沈黙。
逃げ場がない…。
またか………
重いため息がココロにずっしりのしかかる。
俺はいつだってこうだ。
追い詰められて、身動きが取れなくなる。
あの時みたいに
しっぽを切って逃げたいんだけどな、
まだ新しいしっぽが出来てないんだ。
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