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さっきまで感じてた眠気はすっかりなくなり、どうも出来なくて窓の外を眺める。
あのまま寝てしまえば良かったのに。
ガコン!なんて少しの衝撃で起きるほど繊細じゃないはずだろ?…俺。
なんで顔を上げたんだよ。。
ため息が出そうなのをグッと耐え、意識を外に集中させる。
あと2時間。
あと、2時間だ…。
覚悟を決めて肩の力を抜いた、その時ーーーー。
「ーーーーーっ。」
突然ピリっとした刺激が全身に伝わって、体が少し跳ねた。
ドキドキする心臓をおさえて、
何事かと恐る恐る隣りを見る。
隣りに座った真咲は、依然黙ったまま。
それなのに。。。
『ここにいる』のを主張している。
座席を仕切る肘掛け。
お前の分は通路側にあるだろう?真ん中のは俺の分だ!!
だから使うんじゃねぇ!
なんなら窓も俺のもんだ!!絶対にこっちは見るな!!!
それなのに、この仕切り用の肘掛けを大胆に使って、右腕を俺の陣地に侵入させてくる。
少し意識して窓側に体をズラせたのに、真咲の右腕が、俺の左腕にピタリとくっついている。
「~~~~っっ」
なんなんだよ、これは。
なんでこんな……
ただ隣りにいるだけなのに。
なんだよバカ、、、
苦しいだろうが………
酸素が足りない。
頭が煮えそうだ。
右手を額にあててキツく目を閉じた。
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