会話の基本は「さしすせそ」

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 はい、言いました。話を広げるために言いました。 「あなたは、そんな彼の鼻っぱしを、見事に折ってくださったのよ」 「えっ?」 「つまり、彼は『俺ってすごいでしょ!』と言いたかったのに、あなたは『全然すごくないわ!』と一途両断、真っ二つにしてしまったってわけ」 「ええええええええええええ!」  そんなつもりはありませんでしたよ、本当に。 「見事に男のブライドをつぶしてしまったってわけです」  そして、教えてもらったのが、題名冒頭の「さしすせそ」です。 「男の人と話す時は、「さしすせそ」の言葉を使って、良い気持ちにさせなきゃ。男はね、いつだって『自分はすごい』って思われたいんだから」  とのことでした。    まあ、そうですね。うん、それはとても大切なことですよね。   でも……ちゃちい男に、それ言わないといけないんですかね? 「俺ってすごいでしょ!」ってやって、「うん、すごいね!」って言われたいんだったら、行動で示すことって大切なんじゃないかな。  ちゃちい男に「すごいね!」って言うの、めんどくさいんですよ、本当に。
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