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しばらくすると、城から使者が来た。
本当に国中の女に履かせているようだ。
今まで何軒もの家を回り、何人もの女に履かせたが靴を履けたものはいないらしい。
そして、私の可愛い娘達の番がきた。
最初に下の娘が、嬉々として靴に足を滑りこませたが、その足は靴に入りきる前で勢いが止まった。
力任せに靴に足を入れようとするが無駄に終わった。
「おかしいわ。足が入らないなんて。マッサージだってしたのに」
「私に貸してごらんなさい。駄目な妹ね」
上の娘も試したが、結局、私の愛娘達のどちらも靴は履けなかった。
それでも、良かった。
あの娘と王子が、二度と会わなければ良いだけだもの。
あの娘に永遠に見下されることを考えるだけでも耐えられない。
そう思っていた直後のことだった。
屋根裏へと続く扉が開き、あの娘が現れた。
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