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私は、ただ美しく愛されたかった。
社交界でも、二人の愛娘達にも、愛した二人の夫にも。
誰よりも愛して欲しかっただけなのよ。
それをあの女とその娘が邪魔をした。
私を憐れむ目を向けながら、ただ、そこに存在するだけで。
それこそが、あの娘の罪。
純粋じゃない汚れた灰色。
炭になれなかった汚い燃えカスなのよ。
私は、この国から出ていく。
あの娘のせいで。
あの娘は、きっと気付く。
私が国を出たことを。
そして、自分のせいで私が国を出たことも気付くでしょう。
その時に、罪の意識に苛まれればいい。
白色についた小さな灰の染みを一生、気にしていれば良いのよ。
優しさがあるゆえに、その分、長く罪を意識すれば、それだけで私の心は満たされる。
それが、あの母娘と私の対極の悪。
私はあの娘に灰をかぶらせたのだ。
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