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あいつにフラれてからどれくらい経っただろう。食べて、飲んでを繰り返し、ようやく元の体重より少しだけ下くらいまで体重が増えた。
「前よりは痩せてるから、きっと大丈夫よね。さぁ! 新しい男を捕まえるわよぉ! おぉ~!」
一人張り切るのだった。
「おはよ~」
勝子が隣りに座る。
「おはよ~。聞いて~? あたし、ようやく体重が元に近づいてきたよ~。でも前よりは少ない体重で止めとこうと思うの。そろそろ新しい男捕まえに行きたいわ~」
私の言葉を受けて、勝子は目をパチクリとした。そして深く溜息を吐いた。
「あのさ……さすがの私も言いにくくて今まで言えなかったんだけどさ……」
「何、急に改まって」
「あんた、太ったよね?」
「? うん、だから前と同じくらいの体重に……」
「そうじゃなくて。う~ん、鏡、見た?」
鏡?そう言えば最近あまり見てないな……
考え込んで答えでいると、勝子は手鏡を取り出してくれた。
「ほれ」
「サンクス」
受け取った手鏡に映っていたのは、化け物だった。ブヨブヨとした脂肪の塊のような肉体を持ち、人相も顔の肉の為にひどいものであった。
「……え?」
「それがあんた。幾らなんでも太りすぎじゃない? フラれた事がストレスで暴食にはしるのは分かるけどさぁ……」
「いやいやいや! 何で!? 体重は確かに元より少ない……」
「あのさ」
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