たぶん、はんぶん、すき。

好き。どれくらい？

その日、その時以来、またあんなふうに、笑いかけてくれないかな。

そしたら幸せだろうな。

気づくといつも、そんなことを考えている自分がいた。

〝普通にかっこいい〟

女子の間ではそんなふうに言われてた。

だけど、みんな気づいてないだけ。

〝普通にかっこいい〟 男子なんてそうそういない。

〝かっこつけてない〟のに、かっこいいなんて、そんなのすごく、かっこよくない？

そのうち、隣のクラスの子が〝好き〟と言っているのを噂で聞いた。

やっぱりと思いつつ、ヤバイなって思った。

それからは、けっこう必死。

何が始まったわけでもないのに、ラストスパートをかけた気分になってた。

クラスが違うから、ちょっとでも近づかなきゃ……そう思って、同じ委員会に入って、いっぱい話しかけて、連絡先も聞き出して。

いつ頃からだろう？

隣で笑ってくれるのが、特別じゃなくなったのは。

間近でそうされても、恥ずかしくて、うつむいたりしなくなったのは。