魚の躾

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自画自賛でなく僕は美しくて格好いい 例えば容姿 浴室の鏡に映る顔は十把一絡げの平凡どもとは大きく違う くっきり二重の切れ長の目は知性を感じさせると同時に、自分でもドキリとするほど蠱惑的 ぷっくり膨らむ下唇は色香を漂わせ キリッとした眉は男らしさを強調する 綺麗な筋肉のついた張りのある肌はきめ細かく、滑らか シャワーで流す泡が 皮膚を伝い流れ落ちる途中、黒々とした毛に溜まり、雫を垂らす ダンコンの形もいい 男女の口いっぱいに入り込み、喉をつく長さも理想的 これが長すぎると苦しい オェッ 喉の奥へと侵入し、乱暴につかれたら嘔吐しそうになる。でも、僕はそれがいい 苦しさに涙し 悲鳴をあげ 嘔吐する僕が可哀想で、うっとりする 自在にダンコンを締め付けられる僕の蕾は名器と謳われ、値打ちが増すばかり でも、それは当然だ。一日たりともキュッと締める鍛練を欠かしたことはないし、肌の手入れも欠かさない 美しい顔で悲しみ、喜び、嫉妬 幾重もの感情を表現できるよう、鏡の前で練習しているのだから 誰もが僕に抱かれたがり 誰もが僕を抱きたがる 僕という見栄えのいい商品を手に入れるため、争う男女の醜い姿を目にするのは楽しくて堪らない 今日は だれで あそぼうかな ふふふ
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