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「いえ、あの、ぼく、此処で働きたくて」
知ってる
苦痛を望む男の暗い瞳に僕の胸はキュン、高鳴る。かわいそう、本当の快楽を知らないなんて、かわいそうすぎる
若い頃は妖精のようだったろう。
愛らしい仕草、男心を擽る笑み。持って生まれた容貌だけが男の生きる糧となり、愛されなければ生きていけない。思い込む原因となったなら
解放してあげるべきだよねー。ああ、何て優しいんだろう、僕って
「申し訳御座いません。アクツ堂は特殊な店ですので一般の方を雇うことは叶いません。ただ、今は祭りの時期ですので『ねむりひめ』だけは募集しております」
「ねむりひめ、ですか?」
「はい。10年前アクツ堂が祭りの担当をした際の写真が御座います、ご覧になりますか?」
此処にあるのはコレ、一枚だけ
綺麗に全身を磨かれ、オイルを塗り、化粧をして横たわる『ねむりひめ』の姿は美しい。祭りの途中の写真は残していない
参拝客の掌をオイルで艶やかにした後は、ちょっとね、アレな光景だから
「男女一体ずつの贄の身につける衣服は、目を覆う、黒い布だけ。手足を拘束されるわけでもないし、神への贄に危害を加える者もおりません」
ただ、触られて、舐められ、アナというアナを突起物で塞がれるだけ。ちょっと鼻血を出したり、吐いたり、出血することもある。けど、大丈夫なんじゃない?
一晩で得た快感の方が大きいと、代々のねむりひめは言ってるしね
「雇用をお断りするお詫びとして『ねむりひめ』をご希望されるようでしたら、推薦させて頂きますよ? 如何なさいますか」
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