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椅子に腰掛け、銀色の細い棒を白い布で優美に磨く僕の隣に、アクツが腰を下ろした。棒に繋がる鎖の先で、ぷらぷら揺れるリングを指先で弾いて
「今度は何を拾ったんだ」
うんざりした口調で言った。失礼しちゃう、まるで僕がアクツに、迷惑かけたことがあるみたいな言い方じゃない?
銀色の棒はピッカピカ
これは経験のない魚を調教するときに使う道具。ダンコンにリングを飾り、シーの通る道をこの棒でコシコシして、ここも、あっは~ん、な場所だと教えてあげるためのもの
慣れれば鉛筆でコシコシ、ああ~んって、手軽に楽しめるようになる
「一昔前に男の娘だった男。虐めて欲しそうだったから、可愛がってあげようと思ってね」
二階の風呂へと眼を向け、銀色の棒を指揮棒のように振ってから、祭り会場へ持って行く箱の中へ片付けた
「暇してるだろうと思ったのによ。行く気か、祭りに」
ピンポーン! 大当たり
今日のアクツは素肌にネクタイをぶら下げて、実戦で鍛えた肉体に白シャツを羽織ってるだけ。すごく、いい。アクツの男の色香に僕、そそられちゃう
「快感に鈍感な肉体が花開いていく過程を見たいって、思わない?」
アクツのネクタイを形のいい僕の指に絡める。分厚な胸を剥き出しにしてぴたり、唇をアクツの肌にあて
「きっと、興奮する」
強い男の匂いを嗅ぎながら、小さな尖りに吸い付いた
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