ごっこ遊び

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バーベキューコンロが少し傾いだ。焼けた肉汁がふさふさの茂みにポトリ、情熱的に燃え上がり、皮のトックリから赤黒い顔を出したダンコンからも、ポトリ 「おい、アンタ!」 計算されつくした角度で脂に濡れ、水にも濡れた茂みがエロい さっすがだよ、食欲と欲望を同時に満たす和菓子職人の旦那様。凡人の僕の想像を軽ーく、飛び越えちゃうね 「テメェだテメェ、無視するんじゃねえ店長!」 しー。 喋ったら駄目だって言ってるのに、分からない子だねぇ。官能的な唇に人差し指を当てて、ぷるぷる、首を振る えー? 何、その眼 ロープ、タオル、鞭、手錠、細い紐。備え付けの棚から必要な道具を次々と、取り出す下僕たちに注意した方がいいよ。って、親切に教えてあげてる優しい僕を睨むなんて、恩知らずな男だ、キミは 「ふざけるな! 今すぐ野蛮な行為を止めさせーーッ、ンーんん」 男の口にタオルを突っ込み、両手を後ろ手に縛り、シャツを捲りパンツを剥ぎ取ったところで一斉に、下僕たちの目線は和菓子職人の旦那様に向けられた ねえねえ僕、そっち行っていい? 僕は僕の美しい顔を指した人差し指を、和菓子職人の旦那様へ向け、首を傾げる ふっ、笑った彼が僕を見て、頷いた 「おおー、エス様が俺たちの行動を喜んで下さってる」 良かったー。店長の僕が此処にいて襲われる男を助けなかったら、ちょっとね、言い訳に困っちゃうから。バイバーイ 跪かされた涙目の男に手を振って、隣の部屋へ、レッツゴー!
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