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「いいじゃねえか。ユキの艶っぽい声を聴かせろよ」
苦しい
腹の中に押し込まれた湯が逆流し、内臓を押し上げる圧迫感に息が詰まる
「う・・・・・・」
浴槽の縁を掴んで、逃げようとした僕の肩を押さえ、下から突き上げてきた。口から異物を吐きそう、いや、吐く!
口の中が生臭い
べとべとの嫌な汗に髪が、顔に纏わりついてくる。一度抜いて、僕の中に湯を染み込ませ、突いてくる小松くんは鬼だ
「やめて うっ うあっ やめ、て」
「掃除してやってんだよ。遊んだんだろ? 俺の留守中によぉ、オスの臭いがプンプンしてるぜエロガキ」
目が霞んで、耳鳴りがする
体内に溜まったお湯はもう、いっぱいすぎて、入るところがない。このまま、内臓が壊されるのかも
ぼんやりと思ったとき、腰が浮いた
「ほぅら、綺麗になったぜ」
ボタボタボタ
菊門から溢れ出てくるお湯、すべてを吐き出した。息子に浴槽で排泄させる親は、小松くんくらいじゃないの?
ふらついた僕の肩を支えた小松くんは当然、といった顔で、風呂の掃除を女中に言いつけ、僕を部屋へ運んでいく
目に涙を膨れ上がらせた僕をベッドに下ろし、首筋に、唇を押し付け
「泣くのは早いぞ、ユキ」
低い声で言って、僕を抱いた
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