小松くん

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ひっどーい。 まるで僕が悪臭の根元みたいな言い方じゃない? 僕、泣いちゃいそう 「ああああああ、その金で顔を覆うな、止めてくれ」 ピタリ。 動きを止めた長兄の小松くん。彼の顔は僕の胸の上辺りにある。見開いた眼に浮かぶ札束への執着は、驚愕へと変化していく 喉に巻かれたネクタイ、背中に乗るデカい足裏 僕の眼前まで迫った彼の女のように白く、しなやかな手が大きく震えた。僕の心も震えてる 凄い、小松くん 僕の予想を遥かに超えた暴挙っぷりに僕、ドキドキしちゃう 「なーにしてやがんだテメェは! この俺が我慢してるってのによ、ユキに乗っかるなボケ」 勝手な言い分が素敵すぎな小松くんの足裏に押され起き上がれず、しかも、僕の両脇についた腕から力を抜けば長兄の小松くんの喉は、巻きついたネクタイに絞められる 動けない彼の頭上で腰を屈めた小松くん。大きな手を僕へ、伸ばしてきた 「ユキ、金を寄越せ」 「はーい」 涙目の長兄の小松くんが札束の動きを目で追っていく。うう、かわいそう 会社経営を任された社長さんなのにね 次兄の小松くんに意地悪されて新札を渡して貰えない長兄の小松くんの、すぐ目の前に新札はあるのに、触れないなんてかわいそう
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