あ!

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「最初は二リットルくらいでいいか」 冷たく吐き捨てる旦那様に無表情に頷くアクツ。いよいよ、拷問が始まる うーうー 唸る両性具有の顔の上で、ペットボトルの蓋が外された《ゴボゴボゴボ》本人の意思を無視して咥えた筒を通し、上半身を水平に置かれてるからこそ、吐き出せず、胃の中へ容赦なく注ぎ込まれていく水 もうねー、一瞬 20秒もかかってないんじゃないかな? 不気味な静寂の中、ペットボトルが空になって数秒後 ドバァッ! ってアワビの機能確認どころじゃない勢いで、目や耳、穴という穴から水が溢れ出てきた 全身を波立たせていた両性具有の、人のものとは思えない呻き声がおさまってきたところで、両性具有の身を引き起こし、旦那様の尋問開始 「誰に頼まれた。自分の意思で命令に従ったのか、脅されたのかで今後の扱いが変わるぞ」 ふと、人の気配を感じた 誰も気に取めない気配だけど、僕にはお馴染み。振り返れば、高崎屋の店先に立ち、青白い顔で両性具有を見つめる女の姿がある ふふーん 夢中になって成り行きを見守る女将は気づかない、こそーっと近づいた僕の存在に。白眼を充血させた女将の前に、ぬうっと顔を出せば、黒い瞳の瞳孔がパッと開き 「ギャアーーッ!!」 悲鳴をあげた 店先での騒がしさに観客の注目が集まる。狼狽した女将がさっと柱の陰へ身を隠すのと 「あ!」 声をあげた両性具有の指が女将を差したのはほぼ、同時だった
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