菊提灯

7/11

60人が本棚に入れています
本棚に追加
/93ページ
処女食い。 自分の寝技に自信のない男ほど経験のない女を好む。バカにされたくない、嗤われたくない。自己保身のためだけに女を選ぶ、未熟な男を泣かすのは簡単 うわー、小ぶりね 批評させればいいだけ。でもねー、それだけじゃ発散できない僕のストレス。食べかけの杏のタルトを上品に口に入れた僕の、美しい眼に冷たい光が過ぎったのだろう 「決めたのか」 アクツが僕の前に立った ボタンを外したアクツの固く締まった分厚く、浅黒い胸が露わとなってる。濃い薔薇色のひっかき傷は僕がアクツの肌に残した痕。客や男衆に情事のあとを見せびらかすとか、かわいいことするよね、アクツも 「刺身にしよう」 刺身はアクツ堂を脱走しようとした魚へ施す、罰。暴々しい笑みを浮かべたアクツが横を向き 「八つ当たりしてやるなよ」 深いため息を吐いた よく分かってんじゃない。痛いもん、スッゴく腰が重くてイライラするんだよね、僕 「違うもん」 アクツの指摘通り八つ当たりが大多数をしめるけど、否定しておく 通常であれば僕も一般人にアクツ堂の罰を選ばない。和菓子職人の旦那様を招いて、客同士の遊びで収めた方が後始末も楽。警察に届け出ないといけないんだよね、一般人に怪我を負わせた理由を。でもねー、あの男はヒモで詐欺師のサルだよ? 「悪事に関わったことのない娘の売買を持ち込んできた悪党だもん。罰する理由としては十分でしょう?」
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加