菊提灯

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僕のパンツの前のボタンを外し、滑り込ませた手で、シャツを捲り、犯す いいね、アクツ 冷淡な動きをする指と、酔いしれた眼のギャップ。僕は好き。唇に冷酷さを浮かべ、僕との淫欲を衆人の前で夢想し、男の尻を割り開くアクツのろくでなしさ、好き 「ふぐっ ぐぐぅ ふぐおう」 男の表情に現れたのは苦痛と、恐怖 怒ってるよね? 罠にかかった者の顔つきで、自分を裏切った女への憎悪を腹の中で膨らませてるよね。でも大丈夫、その憎悪はアクツ堂を去るまでに、消滅してるから アクツが指を抜く アクツ堂の提灯は店先に飾った瞬間、警察のお世話になりそうな欠陥品。棚を置いて目隠ししてから、台の脚に男の足首を固定し、Sっ気の強いアクツの客を招き入れる 「只今よりアクツ堂の珍品。刺身を提灯としてご用意致します。ご覧になりたい方はどうぞ、奥へお入り下さい」 かわいそう 中途半端な美貌を持って生まれたばかりに、客の破壊的な欲望を刺激しちゃってる 嗚咽は喜び 絶望は快楽 恐怖はご馳走 アクツ堂の中でも選りすぐりのドSに囲まれ、タオルを含んだ口から男のくぐもった悲鳴が洩れる 怯える男がかわいそうで、かわいそうで、かわいそうすぎて僕 胸がドキドキしちゃう。
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