菊提灯

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氷を指で触れると、いてて 皮膚にひっつき、慌てて蛇口をひねりザーッと水で流し、ホッ。僕はソレを子どもの頃やった。もちろん、わざとじゃない んんん くぐもった呻きの二重奏。菊門のシワに氷を押し当てれば、キュッと収縮して、小さく小さく縮こまり、ぷるぷる 双丘を震わせ、ぷっぷっぷっ、鳥肌を肌に生じさせてる 「ぐっと押し込め」 男の菊門にはたーっぷり、ワセリンを塗布してあるからね。押せばつるん、挿っていくんじゃない? でも、魚には塗ってない 家庭用サイズの氷を男衆が見本だと言わんばかりに、魚の菊門へ押し付けた。ぺたっと氷に張り付く茶色の皮膚、男衆が指を放し、氷がぶら下がっているのを観客に見せてから ぐりっと氷を回転させて押し込んだ 「いい声ねー、ぞくぞくするわ」 呻き声は苦痛の叫びとなり、徐々に掠れていく。激痛と寒さで肌を青白く変化させた男から、必要なくなったタオルをとる 「できたねー、提灯」 あったかーい熱燗をこくり、喉の奥へ流し込む。んー、美味しい 「満足したか?」 「うん」 男は女を騙す気力をなくすだろうし、アクツに抱かれた両性具有も。ふん、元凶は小松くんだけど僕はイヤ、アクツに抱かれた両性具有と同じ建物の中にいるの 男を貫く氷のダンコンにぶら下げた提灯の、光がキレイ アクツにもたれ掛かり、両性具有の脚がびくびく跳ねるのをおかずにして、二人で酒を飲み交わした
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