僕は小松くんが怖い(父ちゃんが小松くんになった日)

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おまるを使う赤ん坊ではあるまいし、いきなりお前のトイレは庭の穴と言われても、はいそうですかと頷けない。だけど深く考える必要はない、五人兄弟の下から二番目の僕が一番、父親に溺愛されてる 横暴が人の形をした父ちゃんの気紛れかなあ そう思い仕方なく、漏れそうなのを我慢して背負っていたランドセルをおろして庭へ出れば、父親がついてくる、若い衆もついてくる。穴の前で立ち止まり、ジッパーを下げた 「両手を組んで後頭部にあてろ」 何を言ってるのか分からない。半分、泣きそうに歪んだ僕の顔を見て父親が笑う。笑ってるのに怖い、暗い洞穴のような眼が僕をじっと見つめ、ずるずるとパンツを下ろし、足首から抜いた 「まだだぞ、父様の許可なく排泄するのは許さん。お仕置きしてやる」 お腹が痛い。腰をくねらせながら、膝を合わせて父親に訴えても笑うばかり。漏らさせる気なのだ、僕へのお仕置きをするのを今か今かと待っている。他の家のように、母親がいれば口添えしてくれるのかもしれないけど、僕の家に母親と呼ばれる人はいない。いるのは女中さんだけだ で・・・・・・っる チロチロと生温い水が流れる。焦って、組んでいた手を解くと、父親にお尻を《ベチン》叩かれた。勢いで転んだ、おしっこで濡れた土が肌につく。気持ち悪さに泣いた僕の背中を押さえつけた父親が 「お仕置きだ」 言って、浣腸してきた
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