僕は小松くんが怖い(父ちゃんが小松くんになった日)

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「痛い痛い痛い痛いやだやだ痛い」 バタバタさせた足を誰かが掴む。そのまま持ち上げられ、僕の体は宙に浮いた。父親は僕に浣腸したまま歩いてる。先頭は父親、今から何をされるのか、怖くて怖くて、えっぐひえっぐ、しゃくりあげ泣いていた。涙は目蓋を通り、額を濡らし、髪の毛に吸い込まれていく 「ごべんだぢゃいどーぢゃん」 泣きじゃくる僕を助けてくれる人はいない。父親より強い人はこの家にいないし、小松組組長に逆らう子分もいない。連れてこられたのは風呂場、父親は僕の汚れた体を綺麗にしてくれるんだと思ってホッとした。僕の家の浴室は広い、大人が五人並んで体を洗えるし、浴槽でバシャバシャ泳げる。湯船に父親が足をつけた、若い衆も父親に続き、逆さの僕の顔を熱い湯気がなぶる 「どーぢゃん・・・・・・?」 怖い怖い怖い。チロチロおしっこが漏れる、お腹を伝って胸を濡らすおしっこはもう出ない、湯気の立ち上るお風呂が怖い。ぐりぐり、浣腸した指が動き、強い力で僕を押す。その瞬間 「ぐぼっ、が・・・・・・っ」 僕は湯船に頭から落とされた。飲み込んだお湯を吐き出し、湯船から這い出そうともがく僕の足がまた掴まれる。ゲホッ、ゴホッ、自由に動くのは上半身だけ、必死にもがく僕の浣腸を父親は続けていて、痛いけど、痛がってる場合じゃない。お湯を含んだ服が重い、自分の家の風呂で溺れかける僕を息を殺し、窺う眼はぜんぶ暗くて怖い
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